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2006年7月28日 (金)

獣と獣

医師に余命半年と宣告され、既に10年を生きている人間を知っている。

医師は、病を知っているが、その患者についてすべて知っているわけではない。犯罪捜査も然り。プロファイリングで犯罪者の傾向は割り出せるが、犯罪者の特定は別問題だ。間違った情報は、時に捜査を混乱させる。神戸の時のように。

2005年12月1日から2日にかけて、栃木~茨城で起きた女児殺害事件。いくつかの証拠は挙がっているようだが、半年以上経過した現在まで、犯人逮捕に至っていない。犯人逮捕後、有力な証言が出ることがある。これは警察の口止めもあれば、情報自体が眠っている場合もあるのだ。

この眠っている情報を起こすのが難しい。人は、日々の暮らしに追われ、人の話などあまり覚えていない。それが突然、事件という強烈なきっかけで、目を覚ますのだ。

最初から最後まで、全く誰にも見られず、証拠も全く残さない。即ち完全犯罪。そんなものは、ある特殊なケースを除いて存在しない。

犯人は間違いなく、どこかにいる。生きていれば。自分の最愛の人間を奪われた気持ちで記憶を掘り起こす。また、そうさせる捜査が必要だ。

獣になる。獣に敵うのは獣だけなのだから。

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