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2006年7月22日 (土)

血と涙

今年、2月1日。桂川の河川敷にその親子は居た。

直前に息子は、思い出の残る市内を、母の車椅子を押して観光した。

息子が”もう生きられへん。ここで終わりやで”と言うと、

              母は”そうか、あかんか、一緒やで、わしの子や”と言った。

翌朝、降りしきる雨の中、死んでいる母親と、傍らで、首から血を流す息子を通行人が発見。通報した。

息子は一命を取り留めた。認知症の母の介護、自身の失業。行政に、社会に見放された末の犯行だった。

初公判。検察側は、被告の罪を追及しながらも、その献身的な介護を認め、

弁護側は、被告が、弁護をしている自分よりも人として優れていると言った。

被告の”生まれ変わっても、また母の子に生まれたい”という言葉に、法廷は涙に濡れた。

        判決     懲役2年6月、執行猶予3年

判決文を読み終えた裁判長は、

”朝と夕、母を思いだし、自分をあやめず、母のためにも幸せに生きてください”

と、続けた。

仲の良かった親子の姿はもうないが、その時、法廷には確かに血も涙もあった。

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