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2006年7月31日 (月)

八王子スーパー3人射殺事件

平成7年7月30日、スーパー「ナンペイ大和田店」 2階事務所内で起きた、事件名:大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件。

怨恨か物盗りか。どちらでも関係ない。無抵抗な3人を刺し、そして撃ち殺した事実。

事件のあった場所は、現在、駐車場となり、周囲の様子も住人も変った。犯人を辿る要素はことごとく消え去ってしまった。しかし、すべてが消えたわけではない。

追い詰める。時効が成立するその瞬間まで。

懸賞金?良心?犯人よ、諦めろ、今度は国民が相手だ。

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken/jikenbo/hatioji/jiken.htm

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2006年7月28日 (金)

獣と獣

医師に余命半年と宣告され、既に10年を生きている人間を知っている。

医師は、病を知っているが、その患者についてすべて知っているわけではない。犯罪捜査も然り。プロファイリングで犯罪者の傾向は割り出せるが、犯罪者の特定は別問題だ。間違った情報は、時に捜査を混乱させる。神戸の時のように。

2005年12月1日から2日にかけて、栃木~茨城で起きた女児殺害事件。いくつかの証拠は挙がっているようだが、半年以上経過した現在まで、犯人逮捕に至っていない。犯人逮捕後、有力な証言が出ることがある。これは警察の口止めもあれば、情報自体が眠っている場合もあるのだ。

この眠っている情報を起こすのが難しい。人は、日々の暮らしに追われ、人の話などあまり覚えていない。それが突然、事件という強烈なきっかけで、目を覚ますのだ。

最初から最後まで、全く誰にも見られず、証拠も全く残さない。即ち完全犯罪。そんなものは、ある特殊なケースを除いて存在しない。

犯人は間違いなく、どこかにいる。生きていれば。自分の最愛の人間を奪われた気持ちで記憶を掘り起こす。また、そうさせる捜査が必要だ。

獣になる。獣に敵うのは獣だけなのだから。

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無垢なるもの

千葉地裁で、ある判決が下った。公園ベンチ転落事故。この呼称が正しいかは知らないが、とにかく市の過失を認めた。

原告側である子を亡くした親の気持ちは、気持ちとして分かる。子育てを放棄する親よりはましだとも思う。しかし、私が公園の管理者だとして、植え込みの枯れ枝一本までに気を配るのはおそらく無理だろう。

”親”とは・・・

高崎山の猿が出産した。二度目だ。以前生んだ一子は行方不明となっていた。

両腕が不自由なこの母親が生きていく、まして子育てをするのは容易でない。

陣痛に耐える姿。必死に子を抱こうとする姿。その姿に、確かに”親”を見た。

物言わぬものこそ、不自由なものこそ、伝えてくれる。大切なことを。

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2006年7月25日 (火)

子煩悩な父。やさしい夫・・・また、事件だ。

真相究明は捜査本部に任せ、一般論を話そう。人間には人に見せない”顔”がある。

”ホンネとタテマエ”くらいの可愛げのあるものならいいが、もし一方に、狂気を孕んでいたなら、そしてそれが表面に出たなら・・・それが犯罪だ。

挨拶をするとかしないとか、目つきが良いとか悪いとか、そんな安い価値観で人を評価するな。

”悪魔は、決して悪魔の顔で近づかない”

自分が被害者になりたくなければ、これだけは憶えておいた方がいい。

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2006年7月22日 (土)

血と涙

今年、2月1日。桂川の河川敷にその親子は居た。

直前に息子は、思い出の残る市内を、母の車椅子を押して観光した。

息子が”もう生きられへん。ここで終わりやで”と言うと、

              母は”そうか、あかんか、一緒やで、わしの子や”と言った。

翌朝、降りしきる雨の中、死んでいる母親と、傍らで、首から血を流す息子を通行人が発見。通報した。

息子は一命を取り留めた。認知症の母の介護、自身の失業。行政に、社会に見放された末の犯行だった。

初公判。検察側は、被告の罪を追及しながらも、その献身的な介護を認め、

弁護側は、被告が、弁護をしている自分よりも人として優れていると言った。

被告の”生まれ変わっても、また母の子に生まれたい”という言葉に、法廷は涙に濡れた。

        判決     懲役2年6月、執行猶予3年

判決文を読み終えた裁判長は、

”朝と夕、母を思いだし、自分をあやめず、母のためにも幸せに生きてください”

と、続けた。

仲の良かった親子の姿はもうないが、その時、法廷には確かに血も涙もあった。

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2006年7月19日 (水)

MY SECOM

ドアの内側に、JENGAを置く。複雑な形にして。

窓の隙間に、メモを挟む。意味深な言葉を書いて。

玉子を、目立たない場所に置く。生卵。

戻った時に、変化があれば、それは侵入者かも知れない。

素人がよくやる木刀などの得物を用意しておくのは、逆効果。返り討ちに合う可能性が高い。むしろ盾などを用意する。

簡単にできる防犯。

例の女の話は、http://ameblo.jp/bay-detective/

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2006年7月17日 (月)

逃亡者

行方が割れた。50絡みの男と籍を入れ、直後に消えた女の話だ。

その女の話はhttp://ameblo.jp/bay-detective/を参照して貰うとして、昨夜NTVで「逃亡 償いなき外国人犯罪者」なる番組を放送していた。

私は、度々犯罪や外国人について取り上げているが、スタンスは変わらない。年齢・性別・人種・国籍に関わらず、してはいけないことはしてはいけないのである。

番組中、娘を、夫を外国人犯罪者に奪われた被害者のその後の生活を追う。

愛する者、大事な者を奪われた人間。そして復讐すら許されない、術を持たない被害者がどうなるか。

加害者達は犯行後自国へ逃亡し、幸せな暮らしを送っている。彼らの心中がどうかなど知るか。

正義が死んでいる。殺したのはこの国の政治家だ。国内に外国人を入れるのなら同等に処罰する法を整備すべきである。赤坂に常識外れな議員宿舎など作るっている暇などないはずだ。

胸が苦しい。私は一度も被害者に会ったことはないが、間違いなく今も苦しみに苛まれている。仇討ち制度が日本にある時代、少なくとも文言などでなく人情で正義が守られた。”復讐”その言葉の響きに美徳さえ感じつつ、グラスのジンを一息に呷った。

詳細は7月22日(土)24:30~の再放送を観ていただきたい。百聞は一見にしかずということである。

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2006年7月14日 (金)

silent theater

消えた女のアタリを付けた。仕事の話だ。約束まで時間がある。

映画館。劇場のドアを開ける。誰もいない。上映時間。「SILENT HILL」。

肝心の映画だが、最初から最後までとにかく気持ちが悪い。人が死にすぎる。粗が目立つ。女性巡査、彼女は何の為に登場した?主人公の危機に、拳銃が必要。それだけだ。

地下の看護婦達。完全な静止が物理的に難しかったのか滑稽な演出。少女の底知れぬ憎悪、その裏づけに様々な不幸を盛り込んだがために、逆に話が希薄になっている。数々の謎?を残し、最後は血の海に。そして誰もいなくなった・・・

結局のところ劇場には私一人。背後に気を配りながらの鑑賞となった。

”静かな丘”ならぬ”静かな劇場”

嫌な後味を払拭するためにこの後、「M:I:3」を観た。詳しくはhttp://ameblo.jp/bay-detective/

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2006年7月13日 (木)

紙切れ一枚

男は、諦めていた。50もとうに過ぎ、こんな自分に結婚の機会など・・・

堅物で通っていた男。そうやって生きて来た。付き合った女の数も知れている。

そんな男が、仕事を通じて知り合った女。

女はパブで働いていた。クラブでもスナックでもない。22歳。娘がいればそれ以上の年齢差だ。それでも良いと言った。自分でなければ駄目だと。

男は舞い上がった。金は渡さない。愛があればこそ、そう決めた。

その朝、女は婚姻届を持ってやって来た。判を押す手が震えた。二人で役所に行き、帰りに少し贅沢なレストランで食事をした。夢のような時間。自分にこんな幸せが訪れるなんて・・・

三日後、女は消えた。

依頼だ。対象は消えた女。現在は日本人となっている。

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2006年7月12日 (水)

異国の友

幼い頃、家の周囲に在日朝鮮人の住宅があった。丘の上には米軍の住宅があり、そこに友人がいた。

小学校に上がると、転校生のメキシコ人と友達になった。

中華街で働いたことがある。居酒屋で居合わせた国籍不明の人間と酒を呑んだこともある。

そして最近になって、ベースの人間と友人になった。会うと人懐っこい笑顔で話しかけて来る。

人種に特別な思いはない。日本人でも外国人でも、良い奴と悪い奴がいるだけ。それだけだ。

私は、国民の何倍、何十倍もの給与を貰い、優遇を受ける政治家たちのために、自分の命を投げ出して異国の友を殺す。そんなのは御免だ。ただ、そう思う。

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2006年7月11日 (火)

第3の・・・

ボイスレコーダーはノイズで溢れていた。

ファミリーレストランで録音などするものではない。次回はマイクを用意すると決めた。

ノイズの海からウィスパーボイスを拾いながら、思考を巡らせる。Photo

暴力を得意とする ”武闘派やくざ”

大卒、法に通じて狡猾に悪事を働く ”インテリやくざ”

そして、暴力を使わず、法も破らない精神的なやくざ、 ”メンタルやくざ” その存在に気づく。

所構わず大声で会話。子供はほったらかして旦那の陰口。学生服で人目憚らず喫煙。ドリンクバーをお替りし放題。これは別に良い。視線が合う人間を逆に睨みつける傍若無人な態度。巷には、メンタルやくざが溢れている!そうだ!

駄目だ。集中力を欠いている。拾った言葉でなんとか会話をつなぎ終えた。そして同時に ”メンタルやくざ”の分析も私の中で完了していた。

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2006年7月10日 (月)

待ち伏せ

後輩に頼まれて観劇に出かけた。

池袋。東口を出ると、複雑な気持ちに襲われた。決して東口に西武が、西口に東武があるからではない。

当時、私はインテリア用品の営業マンをしていた。一つ売って数十円の僅かな利益を得るそんな仕事に倦んでいた。私の心は荒れ果て、道端で電車内で、見境なくケンカをした。その様は、さながらカミツキガメのようだったろう。(実際に噛み付くということではない)ある時、納品先のデパートでお客同士のトラブルが発生した。私は躊躇いもなく仲裁に入ったが一方の男が私に食ってかかった。風俗店の店員。私はまともにやりあって追い返した。

半月後。私は前述の件など忘れていつものようにデパートの従業員通用口に向かった。立ち止まる。見慣れない男たち、明らかに日本人ではない二人組。目が合った。男たちは腰に手を回すと何かを出した。ナイフ。いや、刃渡り30cm以上。刀と表現した方が良い代物だった。予感。私は踵を返すと全速力で走った。おそらくこのときに生涯の自己ベストを叩きだした筈だ。

公園を抜け、寺院の横を通り路地から路地を縫って走る。アパート。門の裏に隠れる。夕刊の差し込まれたポストから様子を窺った。目の前を鈍い光が往復する。どれくらいの時間そうしていたろうか。連中は去った。

数日後、デパートから一本の電話が入った。

”嫌がらせを受けている。二度と来ないで欲しい”

私は会社を去った。七年前のことだ。

後輩のファンタジーのような芝居を見終えて劇場を後にした。池袋の街を背に噛み締める。

”あの時、私の物語が終わらなくて良かった・・・” 

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2006年7月 9日 (日)

世田谷一家殺人事件

2000年12月30日に発生した世田谷一家殺人事件。

そのあまりに猟奇的な事件に日本中が震撼した。犯人は次々に人命を奪ったあとそのまま家に居座り、冷蔵庫のアイスを貪り、ネットサーフィンをし、翌朝玄関から堂々と出て行った。その非日常と日常が混在する様。それこそが我々日本人にとって異常以外の何ものでもなかったのだ。

この事件はきっかけにすぎなかった。以降起きることとなる”ある種の事件”とその”共通性” 徐々に明らかになって行く真実。

そこには生々しい、事件の描写があった。著者の齋藤寅氏はおそらく、どの刑事よりも貪欲に犯人に迫ろうとした。それが確かに伝わる。職務権限も拳銃も持たない人間がよくぞここまでと率直に感じ入った。

浮き彫りになるのは国の杜撰な政策と警察組織の弱点。誤った目算、初動捜査、証拠管理、失態の隠蔽。そして保身・・・

やがて遠ざかる犯人の足跡。

見えると見えざると、我々がそれを認めると認めざるとに関わらず、この日本は間違いなく変化の時を迎え、様々な問題を内包することとなった。刮目せねばならない。

それが国際化する国の、もはや”義務”である。

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2006年7月 8日 (土)

廟算-平和と戦争-

”彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず。彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必らず殆うし。”

孫子の兵法の一節である。

”あの”一件以来、連日マスメディアが取り上げ、専門家やコメンテーターの議論は白熱している。確かに連中の意図や思惑を測ることも必要なことだが、更に重要な事はその情報をこの国がどう生かし行動するかということである。”対話と圧力”この言葉は呪文か何かか?

品川、池袋、新宿、渋谷・・・都心を歩く。口々に語られる”ミサイル”という言葉に現実味はなく、ただの”key word”。芸能ネタと同列だ。本当に興味があるのは仕事や恋愛や流行りの服。自分の日々の生活。”平和ボケ”それを悪いことだとは思わない。

だが覚えておいた方が良い。他国も自国と同様の価値観ではないということ。国・民間レベルで危険は驚くほど身近に迫っているということ。そしてその危険から、米国も勿論それ以外のどの国も、自国の軍隊ですら守ってはくれないということ。

悲しいかな、戦争放棄の国。己を守る術を知らず、仮初めの平和を貪る。

我々は戦争の愚を知り、平和を愛する気高い国民。されど視野を広げろ!世界は未だ武力に満ちている。

                                           薔薇とナイフ

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2006年7月 7日 (金)

じっとこちらを見据える目が、言葉以上に心を刺した。

それは威圧のようであり、懇願のようでもあった。退くことはできない。その目を無視して、言葉を続けた。

”雇い主は女か?” 私は聞いた。女とはA社で経理をしていた人物である。

           ”おまえは何者だ。あの名刺は偽物だろ”

”一応、目上の人間には敬意を払うようにしているんだがね。名刺の件は許してくれ”

           ”スジ者には見えねえし、デカでもねえんだな?”

”どっちも俺の嫌いな人種だ”

男は口を開いた。懐から写真を出す。女は自分の娘で、横領の咎は濡れ衣。それが原因で精神をやんでしまったこと。鍵束は管理人の振りをするためのFAKE。

”だったらここを引き払ったら・・・” まさか。ここに本人がいないと分かれば探す。そして何時か女に辿り着く。つまり、自分がここを訪れることで、最後の砦になろうと言うのだ。

多少腕が立つ。性根も座っている。だから誤解も生んだ。全ては傷ついた娘のため。

私は、目の前の男に何か尊い物を感じながら、そこを後にした。  

           

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2006年7月 6日 (木)

老兵

”よぅ”

キレイに剃られた頭はゆっくり振り向いた。男の目に感情はない。

”知り合いが世話になったようだ” 

               ”知り合い?”

”腕一本の貸しだよ”

               ”ああ、あの男・・・”

”やった奴は?”

男は背中を向ける。その背中に声を掛けた。

”おい”

腹に一撃。振り向き様の正拳。ブロックした腕が少し痺れた。引こうとした奴の腕を掴む。

ヒジ。鎖骨に打ち込む。奴の身体が九の字に曲がる。掴んだままの腕を捻り上げた。

”じゃれるなよ”私は言った。

            ”色々嗅ぎまわりやがったからな。教えてやったんだよ”

”やったのは、アンタか?”

            ”最近の若い連中は骨がねえ”

”骨、ね・・・” 私は、捻り上げた腕に力を入れる。鈍い音。乾いた音。男は一瞬たじろぎ、それを取り繕うように自嘲的に笑ってみせた。その顔が神経に触れた。顎。打つ。膝から崩れた男の身体を一度支え、背活を入れた。男が目を覚ます。その顔に疲れの色は浮かんでいたが、目は死んでいなかった。

”まだだ爺さん。聞かなけりゃならないことがある”

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2006年7月 5日 (水)

サーペント

予感。気が逸る。

マンションの玄関に奴は居た。

腕一本。折れた箇所には応急処置がされている。”自衛隊が役に立った”そう言って白い歯を見せた。

”やった連中は?” 奴が首を振る。
       ”故郷に帰るよ”

”ああ・・・”

折れたのは腕だけではない。心。沈む夕日が、奴の顔に影を落す。記憶。色が黒かった。”海人”がよく似合う。そんな男を、都会と言う名の海蛇が呑みこんだ。自衛隊上がりだが物腰が柔らかく、穏やかな男・・・一つ思い出したよ。おまえは優しすぎた。

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2006年7月 4日 (火)

悪魔

無期懲役。母子殺害事件に続いての判決。日本の司法はことのほか犯罪者に寛大らしい。

被告の男は言った。

”自分でなく悪魔の仕業だと”

ならば教えてやろう。この国に悪魔殺しを罰する法はない。貴様が自分を悪魔だと言うなら、その報われない命の為、司法に替わって裁いてやる。


死刑廃止論者もよく聞け。人権がどうのと言う前にまず考えろ。自分が、自分の身内が、愛する者が同じ目に遭ったならどうするか。それをせずに死刑を極刑を論ずるな。


国も、人種も、宗教も関係ない。してはならないことは、してはならない。それだけだ。


”罪を憎んで人を憎まず”


そんな言葉がある。昔は通用した。良い時代だ。

今はひと時忘れよう。この言葉を使うには、犯罪は凶悪になり過ぎた・・・

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2006年7月 3日 (月)

海人

空いたグラスを指で弾くと、澄んだ音がした。隣で飲んでいた自衛隊上がりの男は、グラスを一息に呷ると私と同じやり方を真似た。白い歯。焼けた肌が際立たせる。


”これからはこうすることにした”

                

私は苦笑した。突然、横浜にいると連絡があった。ホテルにいるらしい。


”仕事の話だけど”

          ”言ったろ。手は足りている”

”訓練は受けている。何かの役に立つとは思うんだ”


キリがない。


”本気だ、と分ったらな”

              ”・・・わかった”


わかった?何をだ。


”故郷じゃ海人って言うんだろ” 話題を変える。

            ”いや、海は苦手なんだ”

”そいつは意外だ”

                        

沈黙。それを埋めるかのように私と海人はグラスを指で弾き続けた。

奴を乗せたタクシーを見送った。心に何かが引っ掛かった。路地を歩く。

自販機。財布を出して気付いた。奴は1円も払っていない・・・

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2006年7月 2日 (日)

クラウン

心臓の簡単な検査だった。男は、白のクラウンを病院の駐車場に入れた。待合室。薬品臭。テレビ。ワイドショー。子供の泣き声。窓の外を鳥のつがいが行く。噴水。

診察室へ向かう。麻酔。カテーテル・・・

目が醒める。いや、しかしハッキリしない。周囲を医師と看護師が取り囲む。取り乱している。

夥しい血液。これは?何があった?しかし声にはならない。薄れゆく意識。思考が巡る。噴水。鳥のつがい。あの鳥の名は?子供は泣き止んだろうか?そうだ。今日は町内の集会があった。17時からだ。どうした?まだ検査は済まないのか?意識が遠のく・・・

男は死んだ。

男の娘が勤務する病院での事だった。

病院と遺族の間で何があったのかは定かでない。しかしその後、この件が明るみに出、刑事事件となることはなかった。

”真実を暴くこと、それが即ち正義ではない”誰かの言葉だ。

私は思う。”利害と打算を孕むもの、それは正義ではない”

男は二度死んだ。

駐車場で待っていた、主亡き白のクラウンはそれを知っている。

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2006年7月 1日 (土)

父親

プラントを横目に本牧を走る。前方に自動車が2台。ハザードは点いていない。すれ違い様、中年の男が胸倉を掴まれているのを見た。相手は若い男二人。少年と呼んでも良い。車を止めた。近づく。私は言った。

”どうした?”

        ”え?何。何だよ” いきり立つ。

”揉め事か?”

        ”ああ。こいつが無理やり抜こうとしやがって”

”お、おまえらが先に仕掛けたんだろう”中年の男が唇を振るわせる。

        ”おう、いいからこいつやっちまおうぜ”もう一人が言う。

私は携帯を出した。

”警察に通報した。事故かと思ってな。10分、いやそこの交番からなら5分で駆けつける”

        ”マジかよ” ”どうする?” ”行くしかねえだろ” 舌打ち。

若い男たちはそぐわない白の高級セダンに乗り込み急発進した。若葉マークの必要な運転。

中年の男。一度、フェンダーを蹴りつけてこちらを見た。後部座席から寂しそうな子供の目が覗く。

親子だろう。父親とよく似ている。

車が走り去った。


父親と若造の間で何があったのか。

父親は子供の前でプライドを守れたのか。あの幼子の目は何を語ったのか。

私に分るのは2対1が卑怯だということ。子供の眼前での暴力が相応しくないこと。

それだけだ・・・                                          


  

本牧






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