金とカネ
ネットオークション詐欺。今回の仕事だ。
被害者は高校生。依頼人はその親。代金を振り込んだが、その後音沙汰なし。本人に話を聞くとカネは別にどうでもいいという。なるほど親の財布から出たカネか。だが30万。どうでもいい額ではない。
まずは、履歴を洗うか。PCを起ち上げる。しかし履歴どころか、オークションに必要な、IDも持っちゃいなかった。
高校生の表情が曇る。親を出し。事情を訊く。彼女に子供ができた。そして誰にも相談できず、どうしてもカネを作らなければと思った。と言った。
さて、どうするか。
夜。一台の車に乗り、高校生は家を出た。尾行る。
止まった。高校生が降りる。足元はふらついていた。
私は、近づいた。
”ええ?だあれ、あんた”
目はうつろで呂律も回っていない。
一発入れた。倒れる躰を支える。寄ってきたツレにも一発。事情を訊く。
30万は、全て脱法ドラッグに消えていた。
あの高校生が目を覚まして知るのは、口の中の鉄分の味だけだろう。
私は、彼の親に居場所だけを告げ、その場を後にした。
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